坂元裕二『カルテット』最終話 名言集

坂元裕二 脚本『カルテット』 の 最終話の名言、名シーンを纏めてみました!

◎真紀 灰色

もう私がヴァイオリンを弾いても前みたいに聞いてもらえないと思うんです。
週刊誌で見た犯人が弾くモーツァルト
疑惑の人が弾くベートーヴェン
それじゃ楽しんでもらえないですよね。
私が弾く音楽はこれから先、全部灰色になると思うんです。
もうあの中には戻っちゃいけないなって。
それぐらいね、眩しい時間だったんです。

 

◎椅子取り

別府:肉の日のキャンペーンです。
大橋さんは人間役ですよ。
大橋:こんな格好じゃ演奏できません。
家森:鶏と代わりましょうか?
すずめ:豚と代わりましょうか?
大橋:こんな低レベルな仕事だとは思わなかったです。
すずめ:大丈夫ですよ。もっとすごいのやったことあるから。
家森:よろしく頼ムール貝
別府:時すでに。。
大橋:恥ずかしいと思わないんですか?
皆さん、椅子取りゲームで負けたのに座ってるフリしてるだけですよね?

◎寂

別府:ごめんなさい。肉の日の仕事しか持ってこれなくて。
家森:しょうがないよ僕ら顔出せないわけだし。
すずめ:じゃ。勉強あるんで。
家森:僕も仕事行ってきます。
別府:練習は?
家森:仕事もないのに?
いいな。無職の人は気楽で。
すずめ:いってらっしゃーい。
別府:じゃあ夜練習。。
すずめ:今晩は徹夜しないと試験に間に合わないんで。
別府:徹夜?
すずめちゃんに似合うのは「二度寝」。
すずめ:3人で音出しても寂しくなるだけですよ。

 

◎コロッケ

家森:コロッケデートか。
真紀さん幸せしかない顔してたね。
すずめ:歩きながらコロッケ食べたら誰だって幸せしかない顔になります。
家森:だってもう半年以上たってるんだよ?
すずめ:じゃあ家森さんもコロッケデートすればいいじゃないですか。
家森:すずめちゃんコロッケデートしてくれるの?
幸せしかないな。
すずめ:別府さん。ご飯食べないんですか?
家森:ダメだ。司くんもコロッケデートシンドロームだ。
すずめ:別府さん。
別府:解散しましょうか。
僕たち解散しましょ。
家森:そんなにコロッケデートがしたいんなら。。
すずめ:皆でコロッケ買ってしましょうよ。
別府:真紀さんはもう帰ってこないと思います。
仕事もないし。これ以上続けても意味がありません。
すずめ:帰ってきますよ。
別府:真紀さんはもうキリギリスじゃなくなったんです。
真紀さんは人生を何回も変えてきた人です。
帰ってこないんじゃなくてもう違う道を歩いてるんだと思います。
すずめ:そんなのこんな写真だけで?
別府:バカ!
すずめ:え?なんですか?
別府:自分に言ったんです。
すずめちゃんは最近あんま寝ないし。
諭高さんは週7日働いてるし。
もうカルテットなくても大丈夫じゃないですか。
2人だって違う道歩いてるじゃないですか。
僕だけがずっと同じ場所に立ったままです。
僕も早く自分の中のキリギリス殺します。

◎すずめ 約束

道が違うなら。。
違う道歩いてるならこのヴァイオリンはどうするんですか?
私、真紀さんから預かっててって言われたんです。
一緒に待ってるねって約束したんです。
解散したいならすればいいです。
でもこのヴァイオリン真紀さんに返してからにしましょ。

◎コロッケと弁護士

家森:あれ見ましたよ。
ね、司くん。写真ね。
真紀:写真って?
すずめ:コロッケデートですよ。
真紀:あれデートじゃありません。
弁護士さんにご相談してたのをあんな風に。
別府:あー。ですよね。
家森:司くん安心しちゃダメだよ。
コロッケと弁護士だよ?
これ足しちゃったらもう地球上に勝てるもん無いよ?
真紀:そういうのでは全然無いので。
別府:ですって。

◎タイミング

家森:真紀さんのせいじゃありませんよ?
1年前にもこんな風にして話してたじゃないですか。
好きなことを趣味にするのか夢にするのか。
趣味にできたら幸せだけど夢にしたら泥沼で。
ちょうど今その時が来たんだと思います。
夢が終わるタイミング。
音楽を趣味にするタイミングが向こうから来たんです。
別府:僕は、この1年無駄じゃなかったなって思います。
夢は必ず叶うわけじゃないし、諦めなければ叶うわけでもないし。
だけど、夢見て損することはなかったなって。
1つもなかったんじゃないかなって思います。
すずめ:休みの日に皆で集まって道で演奏するのもいいんじゃないですか?
誰が聞いてても聞いてなくても私たちが楽しければ。

◎コンサート

真紀:皆わかってませんね。私、「偽 早乙女真紀」ですよ?
疑惑の美人ヴァイオリニストですよ?
有名人なんですよ?
「偽早乙女真紀」としてステージに立てばこれくらいのホール満席にできます。
ずっと話してたじゃないですか。
いつか大きなステージで大きなホールで演奏したいねって。
今ならカルテットドーナツホールの夢が叶えられます。
家森:そういうことしても真紀さん自分をさらし者にするっていうか。
別府:好奇の目で見られるだけですよ。
真紀:いいじゃないですか。
さらし者でも好奇の目でも。
そんなの私なんでもありません。
別府:でもたとえそれで人が集まったとしても。
家森:その人達は音楽を聴きにくる人じゃないし。
すずめ:届く人には届くんじゃないですか?
その中で誰かに届けばいいんじゃないですか?
1人でも。2人でも。
私も一応、「元嘘つき魔法少女」です。
昔はまぁまぁ有名だったのでお客さん集める役にちょっとは立つかもしれません。
別府:それだったら僕も一応「別府ファミリー」のその他1名です。
そういう意味では有名です。
家森:僕も一応「Vシネ」出てました。
別府:やりますか!
家森:やるしかないね。
すずめ:やっちゃいましょうか!
真紀:はい!

◎悪名

大二郎:真紀さんって色々言われてるけど無実なんだよね?
多可美:当たり前でしょ。ね?
家森:どうなんでしょうね?

 

客:ねぇ。あの女って軽井沢にいるんでしょ?
すずめ:はい?
客:ヴァイオリンの。
義理の父親殺したかもしれないって女。
すずめ:はいはい。
なんか骨付きカルビかじりながら電柱蹴とばして歩いてるらしいですよ。

 

◎手紙

初めまして。

私は昨年の冬、カルテットドーナツホールの演奏を聴いたものです。
率直に申し上げ、酷いステージだと思いました。
バランスが取れてない。ボーイングが合ってない。選曲に一貫性がない。
というより一言で言って皆さんには奏者として才能がないと思いました。
世の中に優れた音楽が生まれる過程でできた余計なモノ。
皆さんの音楽は、煙突から出た煙のようなものです。
価値もない。意味もない。必要ない。記憶にも残らない。
私は不思議に思いました。
この人たち煙のくせに何のためにやってるんだろう?
早く辞めてしまえばいいのに。
私は5年前に奏者を辞めました。
自分が煙であることにいち早く気づいたからです。
自分のしていることの愚かさに気づきすっぱりと辞めました。
正しい選択でした。
本日またお店を訪ねたのは皆さんに直接お聞きしたかったからです。
どうして辞めないんでか?煙の分際で。続けることに一体何の意味があるんだろう。
この疑問はこの1年間ずっと私の頭から離れません。
教えてください。
価値はあると思いますか?
意味はあると思いますか?
将来があると思いますか?
なぜ続けるんですか?
なぜ辞めないんですか?

なぜ?教えてください。お願いします。

◎有朱 

多可美さーん。大二郎さーん。

人生ちょろかった!

◎唐揚げ パセリ

全員:いただきまーす。
家森:ねえねえねえ君たち。
別府:小皿に(レモン)絞りましたよ。
すずめ:本体にはかけてません。
家森:違う違う違う。見て。
すずめ:ん?
家森:見てー。これなんだろう?
すずめ:パセリ。
家森:そうパセリ。
すずめ:うん。
別府:パセリがどうかしましたか?
家森:あるよね?パセリ。
別府:・・・あんまり好きじゃないんですよね。
すずめ:唐揚げ食べたいから。
別府:諭高さん。パセリぐらいで。。
真紀:パセリぐらいってことは。。
家森さんが今言ってるのは好き嫌いのことじゃないと思うんです。
家森さんが言ってるのは「パセリ見ましたか?」と。
パセリ確認しましたか?
家森:パセリがある時と、ない時。
ある。ない。ある。ない。ある。ない。
どう?
寂しいでしょ?ないと殺風景でしょ?
この子達言ってるよね?
「ここにいるよー」って。
すずめ:どうすればよかったんですか?
家森:心で言うの。
真紀:サンキューパセリ。
家森:サンキューパセリ。
食べても食べなくてもいいの。
ここにパセリがいることを忘れちゃわないで。
すずめ:あっ。
別府:あっ。
すずめ:パセリありますね。
別府:パセリきれいですね。
別府&すずめ:サンキューパセリ。